こんにちは、しりあるです。
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賃貸物件を引っ越す際、ほとんどの方が経験する「退去立会い」。
退去立会いのためにわざわざ休みを取ったり、電気や水道を解約しないでいたり、と何かと手間と時間が取られます。
でも、この「退去立会い」って実はやらなくても良い場合があるので解説します。
「退去費用を安くした方法」や「入居時にぼったくられた話」は次の記事で解説してます。
賃貸物件に住んでいる方・賃貸物件に引っ越す予定の方はぜひ読んでみてください。
【体験談】賃貸物件の退去費用を1通のメールで3割以上安くした方法
結論:契約書に書かれていなければ退去立合いはしなくて良い!
1番重要なのは、契約書に何が書かれているかです。
「退去時は必ず立合い業者と立合い〜」など退去立会いをすることが契約書に書かれているなら、退去立会いをしなければいけません。
やりとりはメールでしよう!
管理会社とのトラブルを避けるための大原則として
やりとりは全てメール(やりとりの記録が残る形)で行ってください。
やりとりをメールで行うことには、こんなメリットがあります。
- 管理会社の営業時間を気にしなくて良い。
- よく考えてから返信できるので安心。
- いい加減な説明の証拠になる。
- 言った言わないを避けることができる。
- 専門家に相談する際もスムーズ。
- やりとりを見返すことができる。
無用なトラブルを回避して交渉を進められるよう、やりとりは必ずメールで行いましょう。
メールアドレスが分からない時は担当者に教えてもらう。
私の場合は電話でメールアドレスを聞いても

「うちはメールでやりとりしてないんで。」
の一点張りでメールアドレスを教えてくれなかったので、
管理会社のHPに載っているお問い合わせフォームに問い合わせました。
会社としては対応していても、担当者レベルで
・話が止まっている
・テキトーなことを言っている
などの可能性があるので、注意してください。
退去までの流れ
1.退去の意思を伝える
退去(引っ越し)することが確定した時点で管理会社に連絡しましょう。
契約書に「退去の連絡は◯ヶ月前までに連絡する」というような記載があるので確認し、それまでに必ず連絡してください。
ここで、「退去立会いはしない」と管理会社にメールで伝えてください。
解約通知書(退去届)を提出する
賃貸を退去する際には、解約通知書(退去届)の提出が必要です。
また、契約書に「退去する際は立合いが必要」などの記載がなければ、解約を通知することで賃貸契約を解約することができます。
解約通知書は入居する際にもらった書類の中か、もしくは管理会社に退去の意思を連絡した時点で送られてきます。
また、ない場合でもネット上にテンプレートがたくさんあるので、そちらを使っても良いです。
管理会社によっては電話で大丈夫なところもあるので、詳しくは管理会社に確認しましょう。
後で管理会社に「聞いていない」と言われないためにもメールなどで証拠を残しておくことが大事です!
私の場合は、電話でしか受け付けないと言われたので電話しました。
電話をした後は、会話内容の議事録をメールで送り、内容の確認を取りましょう。
2.引っ越し日を通知する
引っ越し日が決まったら管理会社に通知します。
何度も言いますが、言った言わないのトラブルを避けるためにも管理会社とのやりとりは基本的に全てメールで行なってください。
(やりとりを後で見返すことやトラブルになった際の証拠にできます)
ここまでのできるだけ早いタイミングで退去立会いをしないと管理会社にメールで伝えましょう。
3.退去前の掃除と引越し作業を行う
室内の掃除と引っ越し作業をします。
掃除をする際は、原状回復の観点から次の項目を重点的にすると良いです。
- カーペットの染み
- 冷蔵庫・洗濯機・ガスコンロ下のサビ跡
- 壁紙(クロス)の汚れ
- 台所の油汚れ
- 水回りの水垢・サビ
これらは退去した際、原状回復費用として請求されることが多いので、注意しましょう。
4.鍵を受け渡す
鍵の引き渡しは郵送で大丈夫です。
「送られてきていない。」
「受け取っていない。」
と、いったトラブルを避けるために「配達証明」等、郵便物を配達したことを証明するサービスを利用すると安心です。
5.敷金精算(原状回復費用支払い)
入居した際に敷金を支払っている場合、賃料の滞納や退去の際の原状回復費用を差し引いた分が返金され、足りなければその分の支払いを求められます。
ここでぼったくってくる場合が多いです。
「原状回復」とは、部屋を借りた当初の状態に戻すのではなく、経年劣化を差し引いた部分を戻すものです。
建物の価値とは時間の経過により減少するものなので、私たちが社会通念上の範囲で使用した結果の損耗は負担する必要がありません。
なので、
・カレンダーを貼って空いた画鋲の穴
・家具の設置による床の凹み
・テレビや冷蔵庫の後部壁紙の黒ずみ(電気ヤケ)
・備え付け設備の故障(寿命によるもの)
などは社会通念状の範囲で使用した結果の損耗、または経年劣化にあたり、貸主(管理会社側)負担となります。
こちらが知らないことを良いことに、本来負担させるべきではない部分も請求されることが少なくありません。
(私も最初、ぼったくりの明細が送られてきました)
しっかりと契約書の内容を確認し、自分が負担すべきではない部分を把握しましょう。
退去立合いの流れ
契約書に「退去立会いが必要」と記載がない場合、退去立合いは拒否できますが!
一応、退去立会いの流れについて説明します。
1.荷物を全て運び出す
退去立合いは荷物が全て運び出された状態で行います。
2.水道等の転居手続きをする
水道・ガス・電気などの転居手続きを済ませます。
管理会社によっては、退去立会い当日に各設備の動作確認のために水道・電気を使える状態にしておかなくてはいけない場合があります。
(管理会社に確認してください。)
3.退去立合いの担当者が来る
退去立合いの担当者は管理会社の社員の場合もありますし、管理会社が立合い業者に依頼している場合もあります。
退去立合いを行う場合は、日程を事前に調整しましょう。
4.室内の汚れや破損の状態を担当者と一緒に確認する
WCウォシュレットやエアコンなど備え付けの備品の動作確認、壁紙や床等の汚れや破損の状態を担当者と一緒に確認します。
5.契約書にサインして鍵を返却する
・退去立合いが終わったこと
・補修内容・金額
これらに同意したなら、契約書にサインし、部屋の鍵を返却します。
補修内容や負担割合・金額等に納得できない場合は、
サインしてはいけません!
退去立合いのメリット・デメリット
退去立合いのメリット・デメリットについて説明します。
メリット
特になし。
デメリット
時間と手間がかかる
日程調整や水道・電気の手続き、当日の立合いなど、何かと時間と手間がかかります。
テキトーな説明をされても分からない
こちらの知識がないことを良い事にテキトーな説明をされることがあります。
また、何が負担かわからないので認めてしまう事にもなります。
サインをしてしまうと不当な金額であっても認めた事になる
例え、補修内容や金額が国土交通省のガイドラインに沿っていない不当なものであってもサインをしてしまうと同意した事になります。
威圧的な対応を取られて怖い思いをする
私自身、徹底してメールでやりとりをしようと考えた経緯には、管理会社の電話対応が威圧的だったという理由もあります。
脅迫まがいの威圧的な態度やサインの強要など、女性の1人の場合は特に注意が必要です。
退去立合いを拒否した理由
結論、入居者側にメリットがありません。詳しく解説します。
休みが取れない
私の場合は、管理会社に退去の意思を伝える電話をした際

「退去立合い日は平日にこちらで指定するので、そこで休みを取ってください。」
は!?
週休2日制(土日休み)で働いているので、困りましたが週末は基本やってないとのこと。
しかも、一度決まった日程を変更しようとすると手数料(¥5400)がかかり、仕事や急病でも特に関係ないとのこと・・・。
※実際に送られてきた書類
テキトーな説明をされても分からない
どの傷が誰の負担か、割合はどうだ、などの知識で本職の人には敵いません。
管理会社とのやり取りの中で、「それってそうなの?」と思って調べたらおかしな主張を通そうとしていたことは多々ありました。
こちらが知らないことを良い事に、根拠のないテキトーな説明をされる可能性が高いです。
退去立会いを拒否できた理由
退去立合いを拒否することができた理由(根拠)を説明します。
証明責任は貸主側(管理会社・大家)にある
証明責任は費用を請求する側にあります。
なので、管理会社や大家が言ってくるような「入居前からあった傷かどうかの確認」は、原状回復費用を請求する貸主側が入居前に撮った写真などと比較して確認すれば済む話です。
「あとで身に覚えのない傷を証明されてしまう。」
これは貸主側が入居前と退去後の比較写真を持って証明した上で、こちらに請求しなければいけないため、こちらが補修内容と金額に同意しなければ問題ありません。
ですが、こういったトラブルを未然に防ぐため、退去する前に荷物を全て運び出した状態の部屋の状況を動画でしっかり撮っておきましょう。
退去立合いをして、管理会社に協力するかしないかはこちら次第です。
契約書に書かれていない
当たり前のことですが、契約書に書かれていないことをする必要はありません。
ましてや、やれば多くの時間と手間がかかる上に、こちらになんの得もなく、むしろ不利になるような行為をする必要はありません。
特約事項を確認し、退去立合いについての記載があるか確認してください。
解約は退去通知で完了する
賃貸契約は、
・解約通知書(退去届)の提出
契約内容によっては2ヶ月前(60日前)までに解約の申入れをしなくてはいけないところもあるので要確認
をすることで解約することができ、退去立合いをしなければいけないという根拠はありません。
ですが、契約書に「退去する際は立合いが必要」などの記載があれば、退去立合いをしなければなりません。
一度、契約書の内容を確認してみてください。
管理会社との実際のやりとり
ここからは、私がした管理会社とのやりとりを実際のメールを使って説明します。
メールでやりとりした内容
退去の意思を伝えるところからメールでしたかったのですが、
「営業時間内に電話でしか受け付けていない。」
とのことで、取り合って貰えなかったため、仕方なく電話しました。

電話した後すぐ、
・仕事で電話に出られないため以後やりとりはメールでしたい
とメールで伝えました。

退去立合いをしないと更新料と翌月からも賃料が発生する根拠については
・鍵の引き渡しと退去立合いをしないと契約中のままになるから
退去立合いが必要な根拠については
・契約書には書いてないが、他の人はみんなやってるから

契約書には退去立合いが必要との記載がなかったので、お断りしました。

前回のメールから1週間音沙汰なし。
退去立合いをやるのかやらないのか、早く確定させたかったので催促のメールをしました。

退去立合い拒否成功!
部屋の確認は管理会社の担当者が行い、私は荷物を全て部屋から出した後、解約日までに鍵を管理会社に郵送するだけでオッケーになりました。
ですが翌日・・・

退去立合い拒否できたと思ったら、仕事中に鬼着信・・・。
仕事が終わった後、即抗議のメールを送りました。

2日後、管理会社の責任者からメールが届きました。
内容は謝罪と原因説明で、ざっくりまとめると
・入居者不在の立ち合いはイレギュラー対応なので、立会部署の担当者が間違えた
とのこと。
今度こそ退去立合い拒否に成功!

引っ越し日と請求書の郵送先(新住所)を通知しました。
ここでしっかり退去費用(原状回復費用)について牽制しておきます。
その後引っ越しを終え、入居時に渡された鍵を全て管理会社に送付しました。


管理会社が鍵を受け取り、退去が完了。
実はこの約2週間後にぼったくりの原状回復費用の請求が届きました!
こちらの詳しい内容はこちらの記事を御覧ください。
【体験談】賃貸物件の退去費用(原状回復費用)をたった1通のメールで3割以上安くした方法【管理会社とのやりとりをメールで公開】
管理会社とやり合う前の準備
契約書やこれまでの管理会社の対応等から
完全にぼったくりのカモにされている
自覚があったので事前に準備(知識武装)することにしました。
と、言ってもしたことは次の4つだけです。
・YouTubeを見る
・本を読む
・ブログを読む
・専門家に相談する
YouTubeを見る
こちらのチャンネルを見て、
「納得できないことは主張しても良いんだ」
って、思うことができました。
本を読む
こちらの本を読むことで「賃貸物件とは何か?」を掴むことができます。
ブログを読む
こちらのブログがとても分かりやすく、タメになりました!
退去時の対策に限らず、部屋探しから入居中までカバーされています。
専門家に相談する
先程のブログを運用している「NPO法人 消費者たすけ隊」さんの公式LINE(賃貸トラブルたすけ隊)を登録して相談しました。
ほとんどブログの中で書いてくれているので、個別具体的な内容を相談しました。
具体的には、
・私の契約内容についての疑問点
・管理会社から来たメールについての返し方
を相談しました。
その節は、本当に助かりました!
ありがとうございました!!!
まとめ
不動産業界に限らず、こちらが知らないことを良いことにぼったくってくる輩は、この世の中にはたくさんいます
しっかりと知識武装して、
自分と家族の大切な時間とお金を守っていきましょう。
知識武装する上でこちらの本がとても役に立ちました!!
・今現在、賃貸物件に住んでいる方
・次の引越し先は賃貸物件の予定の方
・物件選びで失敗したくない方
1度読むことをオススメします!
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